御礼!がんと歩こう 秋田駒ヶ岳お花見ハイク 2021/7/4

田部井淳子さんの講演会に行ったのは2017年7月

「山は病院よ」「どんな高校生でも、、山がね、人をガラリと変えてしまうのね」

と明るい声で語りかけてくれたあの日の講演会。

翌日にがん体験者らと登った秋田駒ヶ岳が、田部井さんが山頂を踏んだ最後の山と言われています。

自分自身の話になりますが、新人の頃

目の前で、若い女性が乳がんのために亡くなりました

3人の子供たちが「おかあさーーーん」と叫んで一斉に駆け寄り、いつまでもいつまでも泣き続けていました

新人の自分は、その脇で、ただただ、見守るしかありませんでした。

その光景が経験のない自分に無力感を与えて、その頃の苦しいがん医療の不甲斐なさへの怒り、やがて、医療不信まで感じることになりました

理想と現実のギャップです

乳がん患者の会のコーディネーターナースをしていた時も、「本当の笑顔」を見ることはありませんでした

自分ができることはなんだろう

「女性のがん体験者の方を山に案内したら元気になれるんじゃないか?私もそうだった。本当の笑顔がみられるかも」

そんな思いから山岳看護師を目指しました

「山岳看護師だけじゃお客様も不安?かも?」と登山ガイドも目指しました

きっと、亡くなっていった方の遺志のようなものが積み重なって、進む力を頂いたのだと思います

あの、はつらつとした田部井さんの声、突き抜けたような、眼差しから4年

沢山の方に支えていただき 賛同してくださった方のお力をいただき

 がんと歩こう 秋田駒ヶ岳お花見ハイクが実現しました

「救いたい」「助けたい」「長く明るく生きてもらいたい」そんな思いを

強く強く持っている医療者がほとんどかと思うのです

患者さんの本当の笑顔が見たいんですね(本音です。私だけじゃないはず。医療者のご馳走です笑)

善意の押し付けでは?なんて言われそうですが、

正直、完璧自己満足(笑)だと思っております

クライアントの皆様の中には、足元に不安を抱えながら歩く方もいらっしゃいましたが、奇跡的な好天のなかで、八甲田山や岩木山まで、いえ、未来までも見通せるような大パノラマに、大いに沸き、笑い、ひたむきな花々に優しい眼差しを向け、贅沢なお花見を満喫しました

 お客様より葉書をいただきました

「病院より遠くにいかない日々を18カ月過ごし、今回、お陰様で、山の魅力の一端に触れることができ心身がぱあっと開けたような爽快感に満たされました。感謝いたします」

 人の温度優れた栄養剤なのかもしれません

今後も 山の力 可能性を信じてまいります

ミヤマウスユキソウ 三姉妹 雪をかぶっているような儚い姿 エーデルワイスの遠い親戚です

最後に、田部井淳子さんの生前の言葉を紹介します

多くの登山者は健康な方ばかりではありません。薬を持参したり、体調に不安を抱えながら、登山口に立っている方も多いはずです。そんな登山者の心を温めたり、背中を押してくれることばです

       未知を楽しむ それが登山 それが人生

「山は天気がすぐに変わります。突然悪くなることもよくあります。けれどそんなときほど腰をすえて待つ大切さを知ってきました。待てばいずれ悪天候も過ぎ去ります。登山では少々のことが起こっても動揺しないで『あせらず待とうよ』と仲間に声をかけるようにしてきました。人生も同じ」

待つことは容易なことではありません。ですが、滅多に起きない困難を貴重な体験として受け止めること。

ひょっとしたら、ひとの生き方も同じで、病気を授かり物として、焦らずに、がんと共に登ったり降ったりしていたのではないか、そんな想像さえしてしまいました

思わぬ困難も「未知」

病気も「未知」として楽しむ

田部井さんが自分に向けた、「処方箋」だったのかもしれませんね

暮らし真ん中に 人生真ん中に 「楽しいこと」を住まわせましょう

また山で会いましょう

協力してくれた方を紹介します

細やかなアドバイスの数々とサポート、そして不安な自分を一歩進ませてくれた大切な仲間です

★ 登山ガイド 鶴岡由紀子さん

★ がん専門医 橋爪隆弘さん

★ 国際山岳医師 小林研さん

★ 白神ガイド 登山の先輩 伊藤あけみさん

感謝します

おしゃべりが楽しい 

阿弥陀池にて チングルマ ミヤマウスユキソウ ヨツバシオガマ イワイチョウ ハクサンチドリ コバイケイソウ

後記

心ばかり

35ページ 文庫本大のフォトブックを作りました

作っている最中はとてもよい気分でした

皆様にお送りしましたら、とても好評でした

仲間の嬉しそうな姿を見ることは、1番の励みではないかなと感じます

よい思い出は、ずっとこころの中の温かな場所として残りますね